[PR]

「トランプ王国」熱狂のあと ラストベルトに住んでみた:6

 楽しいはずのクリスマスパーティーは、公的医療についての不安を吐露する場になった。大統領トランプは大型減税と株高を政権1年目の実績として誇る。しかし日々の暮らしが楽ではない支持者らは「減税の穴埋めとして、いずれ社会保障が削られるのではないか」との不安に襲われ始めていた。

 昨年12月30日、オハイオ州トランブル郡ジラードの一軒家。支持者らの家族が20人ほど集まり、少し遅いクリスマスパーティーが開かれた。プレゼントの包装紙を破る音と同時に歓声があがり、子どもたちは輪になり、ボードゲームで遊び始めた。

 私もこの日はリラックスするつもりだった。日本製のカステラなどを持参し、一家と仲良くなれれば、それでいい。そんな気分だった。ところがそうもいかなくなった。

 大人たちがテーブルでピザを食べ始めた時、地元のホットドッグ店で25年間働くメアリー・ギル(64)が不安を打ち明け始めたからだ。

 「最近どうにも元気が出なくてね、仕事に行くのがつらい。でも医療保険の請求書が届くから、何とか職場に行って働いているのよ」「もう、お手上げ。病気になるたびに1万ドル(112万円)かかる。それに加えて月800ドル以上の医療保険料を払っている。保険がもっとカバーしてくれればいいのに」

 私が「毎月800ドル以上?」と驚いていると、メアリーは証明するかのように携帯電話に保存された健康保険料の請求書の写真を見せてくれた。1カ月分の支払額は864ドル(9万6700円)とある。

 高額負担に私が驚いていると、メアリーが付け加えた。

 「これとは別に処方薬の代金もかかる。でもね来年11月にはやっと65歳になって『メディケア』(高齢者向け公的医療制度)に入れる。そうすれば負担額が大幅に下がるはずよ。それまで、はってでも働くわ」。静まりかえってしまった場の雰囲気を明るくしようとしたのか、メアリーは無理に冗談っぽく言って笑った。

 黙って聞いていた長女ステファニー・デウィース(43)が口を挟んだ。

 「でもママ、(連邦)議会はどうするかな? ニュースで聞いたでしょ? 共和党は社会保障費を削減したくて仕方ないらしいじゃない。詳しくはわからないけど、ニュースで確かにそう聞いた」

■議会は歳出削減…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

こんなニュースも