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 東日本大震災から11日で6年10カ月。津波で両親を失った語り部の高橋匡美(きょうみ)さん(52)=宮城県塩釜市=が、東北学院大の金菱(かねびし)清教授(42)とともに、「疑似喪失体験」の講義を続けている。聴く人はいやおうなく問いをつきつけられる。大切な存在を失うとは、どういうことか――。

 昨年秋の講義は社会人対象だった。仙台市の大学の教室に約30人が集まった。

 最初に4色計12枚の紙を渡され、自分にとって大切なものを書く。水色は「形のある大切なもの」、薄緑色は「大切な活動」、黄色は「形のない大切なもの」、ピンクは「大切な人」。皆、しばし思いを巡らせる。家族、友達、お金、仕事……。

 高橋さんが話し始める。

 両親は同県石巻市に住んでいた。震災の2週間ほど前、仙台で母親とランチを楽しんだのが最後になった。頑固者の父。美人と評判だった母。一緒に過ごした家。写真を映し出す。「永遠にあると思っていたふるさとが、突然奪われる。それが災害なんです」

 教室はいったん暗くなった。聴く人に最初の試練が訪れる。机に並べた12枚の紙から4枚を選び、破るよう指示される。

 高橋さんが続ける。

 震災の日は実家と連絡がとれな…

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