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 4人に1人が外国生まれのオーストラリアで、二重国籍者は国会議員になれないという憲法の規定に触れるケースが次々と発覚し、政界を揺るがしている。一方、国会の外に目を向ければ、自らのルーツを自然に受け入れて生かす人も少なくない。

 「私の国籍はオーストラリアだけだと思ってきた」

 シドニー北部のベネロング下院選挙区。補欠選挙の投票を翌日に控えた昨年12月15日、与党自由党のジョン・アレグザンダー候補(66)が、応援に駆けつけたターンブル首相を見送った後で、記者に語った。

 プロテニスで1975年に世界ランク8位となり、国別対抗戦のデビス杯の豪州代表メンバーとしてプレーした。だが、昨年11月に二重国籍が発覚して辞職。補選になった。

 英国で生まれた父は幼少時に豪州に移住。アレグザンダー氏は豪州生まれなので豪国籍を持つが、英国の法律の規定で父の英国籍も自動的に引き継いでいた。

 豪州は国民に外国籍保持を認める一方、1901年にできた憲法は国会議員になることは禁じる。議員は自国のみに忠誠を誓わなければならないとの趣旨だ。

 英国籍を放棄して臨んだ補選には野党の労働党が地元ニューサウスウェールズ州のキネリー元州首相を擁立。アレグザンダー氏は激しい選挙戦で得票率を減らしながらも再選を果たした。二重国籍問題を有権者に聞くと、ビル・タイスさん(74)のように「憲法の規定なら守るべきだ」といった声がある一方、モハン・ゴーダさん(45)は「住宅問題とか暮らしを考えて与党候補に投票したよ」。勝敗の決め手にはならなかったようだ。

 2016年の国勢調査では、人口約2340万人のうち49%が本人が外国生まれか、両親のうち少なくとも1人が外国生まれ。1千万人ほどが二重国籍の可能性がある。ニューズポール社の昨年8月の世論調査で、二重国籍者は議員資格を失うべきかとの問いに賛成44%、反対43%と拮抗(きっこう)した。

失職者、与野党で9人に

 一連の問題は昨年7月、野党・緑の党のラドラム議員がニュージーランド生まれで同国籍を持っていたとして辞職したのがきっかけだった。直後から、地元メディアによる議員の「二重国籍疑惑」をめぐる報道が激化。議員たちは改めて自身の国籍を確認するよう迫られる事態になった。

 その結果、二重国籍がわかって…

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