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時紀行

 香川県坂出市に、毎日1時間しか営業しない讃岐うどんの人気店がある。希少価値を演出しているわけではなく、短時間に限って営業しなければならない理由がある。

 1玉100円。丼で運ばれてきたうどんは角が立ってツヤツヤだ。テーブルには「温かいかけだし」「冷たいかけだし」「ぶっかけだし」のポット、だししょうゆ、天かす、ショウガ、ゴマ。客は好みの味に調え、ラップで束ねられた青ネギをはさみで切って仕上げる。すすると、小麦の風味が鼻に抜ける。勘定は自己申告だ。

 瀬戸大橋の四国側、香川県坂出市の日の出製麺所。営業は午前11時半から1時間。県内に約600あるとされる讃岐うどん店のうち、ガイドブックなどで「営業時間が一番短い」と紹介される。

 うどんのおいしさ、セルフスタイルにこの「レア感」が加わり、開店前から連日列ができる。1月に東京から友人と訪れた法政大4年の須田駿也(たかや)さん(22)は、高松空港からレンタカーで駆けつけた。「弾力があっておいしかった。味を自分で選べるのは楽しい」と満足そうだった。

 営業時間が短いのは、本業の製麺所が多忙だからだ。スーパーや工場、病院、学校にゆでうどんを毎日5千玉卸し、午後は土産用の商品を作る。1930(昭和5)年創業で、店頭で食べるのは長く断っていたが、2001年、遠方から来た青年に「二度と来ることはないから、食べさせてほしい」と頼まれ、初めて出した。

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