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 2016年11月の飛行機墜落事故で71人が犠牲となったブラジル1部リーグのシャペコエンセから今季、J2福岡に新たな選手が加わった。FWトゥーリオ(32)だ。ブラジルでは昨季、3人いた主将のうちの1人としてチームの1部残留に貢献。悲しみにくれた街で仕事をやりとげ、今度は未知のリーグでJ1復帰に向けて働く。

 シャペコエンセの選手らを乗せた飛行機は16年11月28日、コロンビアで墜落。南米サッカー連盟主催の国際大会「コパ・スダメリカーナ(南米杯)」の決勝第1戦に向かっている途中だった。千葉でプレーしたケンペスらJリーグ経験者も犠牲者となった。

 事故から3日後。かつてシャペコエンセに在籍していたトゥーリオに、クラブの関係者から連絡が入った。「戻ってこいよ。再建に必要だ」。入院中の生存者の選手の1人からも「復帰してください」とメッセージがあった。事故にあった人のうち7割が知り合いだった。戻ることを決めた。

 ブラジル南部のサンタカタリーナ州シャペコを本拠とする「街を象徴するチーム」。「市民に喜びと希望を与えることが役目」と考えてプレーしたという。昨年はブラジル1部リーグで24試合出場し、7得点を挙げた。

 身長193センチ、体重90キロの大型FWは生まれも育ちもブラジルだが、日本文化には親しんできた。幼少期から空手や柔道を学び、数字も日本語で数えられる。

 これまでフランス、イタリア、スペイン、デンマークなど豊富なプレー経験を持つ。かつてフランスリーグに所属していた元日本代表のMF松井大輔(36)とも親交があり、松井から教わった「ありがとう」「こんにちは」という日本語も話す。今回の移籍に際しても松井から「幸運を祈ります。Jリーグは厳しい面もあるけれど、福岡というチームは問題ないと思います」とメッセージがあったという。

 福岡の今季の目標はJ2優勝とJ1昇格。昨年は得点力不足が響いてJ1復帰を逃しただけに、新天地で求められるのはゴールだ。トゥーリオは「自分自身のなかで目標はあるが、口には出したくない。チームに貢献していきたい」と、活躍を期す。(堤之剛)