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 オーストラリア北東部沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁グレートバリアリーフ北部で生まれたアオウミガメを調べたところ、若い個体のほとんどが雌だった。こんな調査結果を、米国とオーストラリアの研究チームが米科学誌に発表した。地球温暖化の影響とみられるという。

 アオウミガメは最大で1・5メートルに達する絶滅危惧種。研究チームによると、アオウミガメの場合、卵が埋まった砂浜の地中の温度が29・3度を超すと孵化(ふか)する赤ちゃんに雌が増える。

 研究チームは特に気温が高いグレートバリアリーフ北部で生まれた300匹以上の性別を調べた。甲羅のカーブに沿って測ったサイズが65~86センチのやや若い個体や65センチ未満のさらに若い個体では、99%以上が雌だった。一方、北部と比べて気温がやや低い南部生まれのカメでは、雌の割合は65~69%だった。

 気温データやカメの成長速度などを分析した結果、グレートバリアリーフ北部の繁殖地の島では繁殖期の12~3月に砂中の温度が、1990年以降はほぼ29・3度を超していたと推定された。過去20年以上にわたり、孵化した個体のほとんどが雌だったと考えられるという。

 研究チームによると、雌が増えると一時的には産卵数も多くなると考えられるが、雄が少なくなりすぎると繁殖自体が難しくなる。ウミガメが適応しきれない速度で温暖化が進んでいるとし、「絶滅を防ぐ対策が必要だ」と警告している。(小堀龍之)