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 冬になると、風邪やインフルエンザなどの呼吸器の感染症が心配されます。空気が乾燥することで、病原菌が浮遊しやすくなることや、空気の通り道である気道も乾燥するために免疫がうまく働かないことなどが原因といわれています。あらゆる呼吸器感染症が増加しますが、特に注意が必要な疾患に肺炎があります。

 肺炎は、細菌などの病原菌によって引き起こされた急性の炎症で、高熱やせき、たんなどの症状がみられます。息苦しさも感じられ、重症化すれば意識障害や血圧低下などを来し、死に至ることもある危険な疾患です。一般的に高齢者や喫煙者、何らかの慢性疾患をお持ちの方などに発症しやすいですが、ストレスや疲労で抵抗力が落ちた場合は若い健康な方でも注意が必要です。実際、発症頻度は高く、2014年の厚生労働省による調査によると、1日当たりの肺炎入院患者は人口10万人あたり34・6人とされています。ぜんそく(4・4人)、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(3・8人)、肺がん(18・8人)など他の呼吸器疾患と比較しても多い数値となっています。

 今回取り上げる市中肺炎は、病院外で暮らしている方がかかる肺炎を指します。病院内で発症する院内肺炎に対して、基礎疾患のない比較的健康な方に多い傾向があります。病原菌も特徴があり、ワクチン定期接種の対象となった肺炎球菌の頻度が最も多く、その他インフルエンザ菌、マイコプラズマ、肺炎クラミジアなどが主な原因菌となっています。

 軽症例では元気になることがほとんどです。しかし重症化するとその限りでなく、特に65歳以上の高齢者などでは近年死亡率上昇が問題となっています。高齢者では典型的な症状が出にくいことも多く、肺炎と気づかない場合もあります。日頃からワクチンの接種、マスク、手洗い、うがいなどの予防策や、運動や食事などで体調管理を心がけることが大切です。

<アピタル:医の手帳・肺炎>

http://www.asahi.com/apital/healthguide/techou/(新潟大学医歯学総合病院救急部 青木信将助教)