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 北朝鮮の核・ミサイル開発を受けた国連安全保障理事会の制裁決議を履行するため、海上自衛隊の艦艇が昨年末から朝鮮半島西側の黄海や日本海の公海上で警戒監視に当たっていることが分かった。半島の両側で監視を強め、海上で外国船舶から北朝鮮船舶に石油精製品を移し替える形での「密輸」を防ぐ狙いがある。国連決議の実効性を高めるための国際協力に自衛隊が関与するのは初めて。

 複数の政府関係者が明らかにした。海自の艦艇が黄海に入ることについては中国の反発も強いが、日本政府として黄海にまで範囲を広げて警戒監視にあたる必要があると判断した。日本海では日米で警戒範囲を分担。いずれの海でも、海自が写真を撮るなどして確認した船舶情報を米軍に伝えているという。

 政府関係者によると、活動根拠は「周辺海域の船舶の動向を把握するための警戒監視」の位置づけ。外国船舶を強制的に調べる権限はない。通常、海自の艦艇が東シナ海で実施している警戒監視の範囲を北方へ広げて黄海の中にまで入っているほか、日本海でも艦艇や哨戒機が警戒監視にあたっている。海上保安庁による海上での警察活動を補完する意味合いがある。

 国連安保理は昨年9月の決議で、北朝鮮への石油輸出を制限したほか、船舶から船舶への積み荷の受け渡しを禁じた。昨年末には、北朝鮮への石油精製品の輸出を9割削減すると決議。海運制裁も強化され、加盟国に対し、禁止品目を運んでいる合理的な疑いのある船舶について、自国の港で押収や検査などを義務づけている。(土居貴輝)