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 岩手県釜石市橋野町の山中で馬との共生文化再生に取り組む一般社団法人・三陸駒舎が国の障害福祉サービス施設の指定を受け、障害児に乗馬や馬の世話を教えながら自立を支援する事業を始めた。こうした「ホースセラピー」を取り入れた、障害児のための国指定の通所デイサービスは、県内では初の試みという。

 三陸駒舎は、法人理事の黍原(きびはら)豊さん(40)が2015年4月に仲間らと設立。築90年の南部曲がり家の古民家を借りて妻の里枝さん(43)と住み込み、ここを拠点に2頭のポニーを飼いながら「馬とのふれあい体験教室の開催」「馬の文化を生かした地域づくり」などを実践してきた。

 昨年末、障害児を放課後や休日に預かる「児童発達支援・放課後等デイサービス」施設(定員10人)の指定を受け、最初に受け入れたのが大槌町から通う小学4年生の男児(10)。発達障害があるが、ポニーの世話は一生懸命やる。「最初から馬を怖がらず、同じ世界に住む友だち同士みたいに馬と会話ができている」と黍原さんは喜ぶ。

 9日午後のレッスンは5回目。馬小屋の掃除では、フン集めやフン運びを遊びの延長のように喜々としてこなし、毛並みのブラッシングや軽くたたくタッピングも馬に話しかけながら楽しそうだ。馬具の装着やベルト締め、手綱の取り付けなどは「手先での細かい作業が不得手な障害者にはとてもいい訓練になる」(黍原さん)という。

 乗馬では最初の頃、両足で馬の腹を挟む強さ加減がわからず馬を急に刺激しすぎたこともあったが、走り出した馬の反応と、里枝さんの「全力5のうち3くらいの強さ」などの説明に、男児は「やさしく」という程度を体得していく。

 黍原さんは「まだ開設したばかりで利用の問い合わせは20件ほどだが、震災後のストレスや生活環境の変化で支援を必要としている障害児は多いはず」とみている。国の指定を受けたことで利用者負担も格段に軽減されている。

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http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(本田雅和)