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 中学校や高校での人手不足などから、教科の免許を持たない教諭が授業を担当する「免許外教科担任」について、文部科学省はガイドラインをつくる検討を始めた。15日に初会合を開いた有識者会議で各自治体の状況を調べ、2018年度中に結論をまとめる方針だ。

 中学と高校は教科ごとに教員免許が必要だ。山間地や離島などの小規模な学校で教諭が配置できなかったり、病欠や育休などで教諭が休んだりする場合に備えて「免許外教科担任」が例外措置として認められている。

 しかし、近年は「発達障害のある子や外国籍の子への指導」「少人数教育」のほか、「教員間の持ち時間を平準化する」などの理由から、免許外教科担任を認める事例が出てきた。課題を抱えた子どもに多くの時間を割いたり、教員の多忙化を防いだりする狙いだ。

 免許外教科担任は、専門的な知識のない教諭が授業をすることになり、文科省は「安易な許可」をしないよう呼びかけてきた。その一方、文科省はこれまで明確な運用基準を示しておらず、一律禁止も現実的でないため、ガイドラインを作成することにした。

 免許外教科担任が認められた件数は1965年度には7万件を超えていたが、近年は1万1千件程度で推移している。2016年度は全国の中高で1万950件で、最も多い北海道が1283件に上る一方、最少の埼玉県は4件にとどまるなど自治体ごとの差も大きい。教科でみると、中学は技術、家庭、美術、高校は情報、公民、工業、地理歴史で多い。

 15日の会議では、鹿児島県や長崎県などの教委の担当者が現状を説明。採用の際に複数教科の免許を持つ人を優遇するといった対策や、「離島の教員定数を見直してほしい」といった意見が出た。(根岸拓朗)