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 光をあててがん細胞を壊す新たながん免疫療法の安全性を患者で確かめる臨床試験(治験)が3月から、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)で始まる。この治療法の実用化を目指す米ベンチャー企業「アスピリアン・セラピューティクス」が17日、発表した。

 同社によると、治験は手術や放射線、抗がん剤で治らずに再発した頭頸部(とうけいぶ)がんの患者を対象に安全性などを確認する。国立がん研究センター内の審査を経て3月にも始める。米国では2015年に治験が始まり、これまでに15人中14人はがんが縮小。14人のうち7人はがんが消えたという。

 この治療法は「光免疫療法」と呼ばれる。米国立保健研究所(NIH)の小林久隆主任研究員が開発し、11年にマウスでの治療に成功したとの論文を発表。ある化学物質と、特定のがん細胞に結びつく性質があるたんぱく質(抗体)を結合させた薬を注射すると、抗体はがん細胞と結びつく。テレビのリモコンなどに使われ人体に無害な近赤外光を当てると、化学物質が反応してがん細胞を破壊し、これをきっかけに免疫細胞が活性化する。

 小林さんは「日本での治験開始により日本の患者さんに役立つことに一歩近づき大変うれしい。様々ながんの患者さんに使ってもらえるように努力を続けたい」と話す。治験をする国立がん研究センター東病院の土井俊彦副院長は「この治療法が正しく評価されるようにしっかりと治験をしたい」と話している。(南宏美)