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(17日、大相撲初場所4日目)

 前日に続いて金星が二つも輝いた。配給元は稀勢の里に白鵬。これもまったく同じとあっては、ショックが大きい。

 4場所連続の休場から再起を期す稀勢の里には、反発力がない。琴奨菊と双方得意の左四つに。2人は幾度となく幕内で対戦し、お互い知りつくしている。なのに簡単に差された腕をかえされて体を起こされた。逆から突き落とされて土俵にごろん。ぼうぜんとした顔が、もの悲しかった。

 支度部屋では「うーん」と、何を聞かれても生返事ばかり。早くものっぴきならない立場に追い込まれた。

 白鵬も「いいところがない」と弱音をはくあたり、悩みは深そうだ。

 先場所、敗れて自ら物言いをつけるという問題を起こした際の相手が、嘉風だった。ここはすっきりと退けたかったが、立ち合いに力感が足りない。張り差しを禁じ手とされた迷い。そして右足の負傷。体と心のバランスはとれているか? こんな問いかけに「ちょっと、多少ずれもある」。

 たまらずに引いて、左足を滑らせ、勝負あり。この黒星で古傷の左足親指も痛めたようで、付け人の肩に手をかけながら引き揚げた。

 元横綱の暴行事件など、お騒がせ続きだった大相撲界。心機一転、明るい熱気に包まれるかに思えた今場所も、横綱2人のもがきで、すっきりとしない序盤になってしまった。(隈部康弘)