惜別 鶴ひろみさん(声優)

 高速道路を走行中に大動脈解離を発症し亡くなったとみられる。胸や背中に激痛が走る病気だが、発見時、車は中央分離帯に接触した状態で止められ、ハザードランプがついていた。

 「最後まで、しっかり者の鶴ちゃんらしい」。声優仲間らは突然の別れを嘆きつつ、そう口をそろえた。

 小学生から子役としてドラマに出演。池田昌子さんがオードリー・ヘプバーンを吹き替えた「ローマの休日」を見て、声の仕事にひかれた。高3の時、世界名作劇場シリーズ「ペリーヌ物語」(1978年)に主演し、声優デビュー。母役は池田さんだった。

 80年代、清楚(せいそ)な美少女から活発なヒロインまで幅広い役の声を演じて売れっ子に。「ドラゴンボール」で初回から登場するブルマは、現在放送中の続編まで30年以上演じ続けた。

 主人公悟空役の野沢雅子さんは「キッパリした物言いだけど気配りがあって人を傷つけない方」と振り返り、1月13日の「送る会」で「ドラゴンボールは七つそろえば何でもかなえてくれるけど、今回はダメだった。ごめんね」と涙した。

 「それいけ!アンパンマン」のキュートな悪役ドキンちゃんも当たり役。約30年コンビを組んだばいきんまん役の中尾隆聖さんは、「初めは妹分だったのに、後半はパシリにされちゃった。鶴さんの作り上げたキャラクターの力です」。

 涙でかすれたばいきんまんの声が、送る会で響いた。「ドキンちゃん、バイバイキーン!」(小原篤

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2017年11月16日死去、大動脈解離 57歳