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 イスラエルは、軍の先端技術を生かしてサイバー防衛を担う人材育成を進めている。米ロなどと並び、この分野の「最強国家」と言われる水準の高さを支えるのは官民を挙げた取り組みだ。東京五輪・パラリンピックを控える日本に、協力相手として熱い視線を注いでいる。(渡辺丘=ベイトシェアン〈イスラエル北部〉、軽部理人)

軍が高校で授業

 昨年12月上旬、イスラエル北部ベイトシェアンの公立高校。「サイバー戦争とは何か? 国家やテロ組織が敵のシステムに損害を与える行為。システムに侵入、スパイ……」。軍のインテリジェンス(情報収集、分析)部門に所属する中佐が、スライドを示しながら、30人余りの生徒に問いかけた。

 敵、味方の位置情報などをインターネットで収集し、分析する――。戦場で状況認識能力を高めるための「サイバー地理情報収集」の授業だ。

 イスラエルでは高校卒業後、男性は3年、女性は2年の兵役義務があるため、軍のサイバー戦略を担う人材をいち早く見いだし、養成する狙いがある。イスラエル軍は2016年に国内各地の高校でこの分野の出前授業を始め、今では80クラスを開講する。

 講師の中佐は「あらゆる情報がネットワークを巡る。兵役に就く前の高校生がいち早く最新技術を学ぶことは重要」と力説し、参加した男子高校生(16)も「軍の情報部隊で技術を身につければ、良い仕事につける」と期待を口にした。

 軍はサイバーセキュリティーの実習や部隊見学を含む「サイバー防衛」の授業も開講。現在では10校近くの高校に現役の担当官が出向き、未来の「サイバー戦士」の育成を担っている。

 人口約850万人のイスラエルは、1948年の建国後、周辺のアラブ諸国と4度の戦争を繰り返し、近年はイランやシリア、レバノンのシーア派武装組織ヒズボラなどと対立している。陸、海、空、宇宙に続く「第5の戦場」と呼ばれるサイバー空間の防衛は安全保障上の最重要課題の一つ。イスラエルはこの分野で米ロや中国などと並んで「最強国家の一つ」(イスラエル政府担当幹部)に数えられる。軍が誇る世界最先端の技術や人材が民間にも進出し、イスラエル企業の世界進出を支えるという図式も定着している。

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