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 愛媛大学などの研究グループが、HIV(エイズウイルス)感染に対する治療薬が骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の症状を抑える可能性があるとする研究結果をまとめた。骨粗鬆症に対する新たな治療法の開発にもつながるとしている。

 研究に取り組んだのは、愛媛大プロテオサイエンスセンターの李智媛(ジウォン)助教や飯村忠浩教授らのグループ。

 李助教と飯村教授によると、リンパ球の細胞の表面には「CCR5」という分子があり、HIVはこの分子を介して人に感染する。エイズ治療で主流となっている抗HIV薬「マラビロク」は、CCR5の機能を阻害することでHIVの細胞への感染を阻害し、患者の延命に大きく貢献しているという。

 ただ、延命で高齢化した患者が発症する骨粗鬆症などの疾患に対し、マラビロクの長期服用がどんな影響を及ぼすかが心配されていた。これまで様々な臨床報告はあったものの、薬の影響を裏付けた基礎研究はなかったという。

 李助教らのグループは2013年からの研究で、骨を溶かす「破骨細胞」と骨を作る「骨芽細胞」それぞれにマラビロクを投与。破骨細胞の機能は阻害されたが、骨芽細胞には影響がなかった。マウスを使って人為的に骨粗鬆症を発症させる実験では、CCR5を欠損させたマウスは骨が減らなかったという。

 研究グループはこれらの結果から、CCR5を阻害するマラビロクを服用すると破骨細胞の機能が低下し、骨粗鬆症になりにくい、と結論づけた。愛媛大は「これをきっかけに新たな骨粗鬆症治療薬の開発も考えられる」としている。

 

<アピタル:ニュース・フォーカス・その他>

http://www.asahi.com/apital/medicalnews/focus/(大川洋輔)