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 伊豆で最大の観光客動員力を誇る静岡県河津町の河津桜が岐路に立たされている。最初の植樹から50年を超え、一部に樹勢が衰える木が出てくる一方、並木の中心になる河津川沿いでは河川法の規制で植え替えが難しいからだ。河津川を管理する県と町は並木を市街地まで延ばし、川沿いの木の不足を補う方向で検討をしているが、課題は少なくない。

 昨年12月下旬、町役場であった「河津桜並木景観検討会」(伊藤光造委員長)で、県が並木の将来像の地図を示した。伊豆急行河津駅前から延びる幹線道路沿いなどに回廊のような並木が新たに加えられた半面、川沿いは中央部あたりに空白が目立った。

 検討会は、「基準違反」状態にある川沿いの桜の解消を目指す県が主導し、町とともに立ち上げた。県、町のほか有識者や地元関係者で構成する。

 河津桜は早咲きで知られ、2月から約1カ月間開かれる河津桜まつりには100万人近い人が訪れる。伊豆では最大のイベントになり、経済効果は300億円ともいわれている。始まりは、1970年代に町観光協会や町商工会が川沿いで植樹運動を展開したことだ。まつりは91年から始まったが、初年の観光客は約3千人と地味だった。それが知名度が上がるにつれて倍々ゲームのように増え、99年には100万人に。伊豆には河津桜より早咲きの桜がいくつもあるが、早咲きの代名詞にもなり、観光の成功例として地元で語り継がれている。

 植樹当時は明確な基準がなく、必ずしも「違反」ではなかった。ところが、97年の河川法改正をきっかけに、堤防の上や川側の斜面に木を植えることが、治水に影響があるとして事実上できなくなった。河津桜の寿命は数十年とみられ、このままではいずれ木がなくなってしまうが、県は「河津川は、10年に1度の大雨でも水があふれる危険がある。桜は堤防を弱める恐れがあり、新たな植樹は認められない」と話す。

 検討会は経済効果と治水の両方をにらみながらソフトランディングさせるために設けられた。川沿いの堤防の外側に移植することも候補に挙がるが、住宅が迫っているところも少なくない。将来図が「歯抜け」になるのはそのためだ。

 そうした現状に、「川沿いにあってこその河津桜。市街地の並木にどれくらい観光客が来るか」と心配する声は根強い。道路沿いに延ばすにしても、周辺住民の理解も得られる適地がどれだけあるかも未知数だ。今後、町が実行に移していくことになるが、長期間の地道な努力が求められる。

■丁寧に点検、延…

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