[PR]

 北九州市職員が扮するご当地ヒロイン、「バナナ姫ルナ」が、年度末で活動を終えることになった。趣味のコスプレを生かし、市のPRに貢献してきたバナナ姫こと観光課職員の井上純子さん(31)。18日の「引退会見」で語ったその理由とは――。

 「限られた予算でインパクトのあることを」。友人同士でクリスマスやハロウィーンに仮装をして楽しんでいたという井上さん。2015年には地元であったハロウィーンの仮装コンテストで優勝し、一昨年、ゆるキャラの代わりに趣味のコスプレを活用することを発案した。

 北九州市の門司港はバナナのたたき売り発祥の地として知られる。そこで、門司港でのイベントをPRするためにデザインされたキャラクター「バナナ姫ルナ」のコスプレに挑戦することになった。衣装は井上さんの自作だ。

 これまで、市内外のイベントで活躍する姿は全国ネットを含むテレビで38回、新聞で33回取り上げられるなど、一躍、市PRの「センター」に。市の観光動画にも複数回出演し、多くのアクセスを集めた。

 では、なぜこのタイミングで引退するのか。

 井上さんはこの日の記者会見で、小学生3人を育てるママであることを明かした。「仕事と家庭との両立の課題もあった。応援の声で続けることができたが、一定の成果が出て異動時期の年度末を控えているので」。観光課の在籍が3年目となり、数カ月前から引退について上司に相談していたという。

 子どもがイベントを見に来る機会もあったが、「会場では『ママ』と呼ばないでね」と約束していたという。

 「一職員でありながら前面に出る貴重な経験をさせてもらった。残り2カ月も頑張りたい」と語った井上さん。復帰の可能性について聞かれると、「今の時点でお約束はできないので」としつつ、「この形になるかはわからないが、経験を生かして市に貢献できることを考えていきたい」と話した。衣装については「活動を終えてもキャラクターは残る。もし継いでくれる人がいれば引き継ぎたい」。

 今後の活動は、2月5日に市内の萩原小で観光授業▽2月7日に東京で北九州市応援団の集い▽3月11日に市内でふれあいチャリティーウォークの出発式――が予定され、追加の可能性もある。

 北九州市の北橋健治市長は「市へのPR効果は計り知れない。文字どおり体を張って取り組んでくれ、素晴らしい挑戦と心から評価したい」と賛辞を贈った。(宮野拓也)