[PR]

 がん患者の体内から免疫細胞を取り出し、遺伝子操作して攻撃力を高めて戻す新たな免疫療法「CAR―T(カーティー)細胞療法」の実用化に向けた動きが本格化している。24日には名古屋大学病院が、ほかに治療法がない急性リンパ性白血病の患者を対象に厚生労働省の部会に再生医療の臨床研究として申請し、了承された。

 治療法がなくなって、これまで救えなかったがん患者への新たな治療法になると期待されている。

 患者自身のT細胞と呼ばれる免疫細胞に、がんになったリンパ球の目印を認識させ、がんを攻撃し続ける機能をもたせて体内に戻す。一度の点滴で効果が出るとされる。米国で承認されている同様のメカニズムの薬(商品名キムリアなど)が4千万~5千万円と高額なことでも注目を集めている。

 今回了承された計画は、信州大の中沢洋三教授が考案した独自の技術をもとに名大と信州大が共同開発した。治療費の大幅な削減を目指している。

 国内ではすでに、自治医大がタカラバイオと共同で臨床研究などを始めている。米国で承認されたものや自治医大の治療法は、遺伝子操作にウイルスを用いている。だが今回了承された名大のものでは、ウイルスを使わない。高橋義行・名大教授によると、ウイルスを扱うことで生じる安全対策や施設整備のコストを10~15分の1以下に減らせる可能性があるという。

 名大はまず12人の患者で、副作用の程度などの安全性や効果をみていく。