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 運転免許の自主返納が昨年1年間に42万2033件(暫定値)あり、前年より7万6720件増えたことが警察庁のまとめでわかった。75歳以上が約6割にあたる25万2677件。前年より9万336件増え、過去最多を更新した。高齢運転者の問題への関心や返納制度が周知されてきたことが背景にあるとみられる。

 警察は高齢者の免許の返納を促すために、2002年から希望すれば運転経歴証明書を交付している。金融機関などで身分証明書として使え、交通機関の利用料の割引といったサービスも受けられる。昨年1年間の交付数は36万4634件(前年比6万9111件増)。75歳以上は21万1728件で、前年より8万件増えた。

 内閣府が昨年実施した返納制度に関する初の世論調査の結果、9割超が制度を認知していた。返納の動機としては「身体能力の低下を感じたとき」が64%と最も多かった。安心して返納するために重要なこととしては、公共交通機関の整備や運賃割引・無償化を求める声が6割を占めた。

 一方、各都道府県警は運転免許センターなどに高齢の家族の運転に関する「運転適性相談」の窓口を設けているが、7割超が「知らない」と答えた。警察庁は「高齢者講習の機会を利用するなどして周知に努めたい」としている。

 高齢者の交通事故対策をめぐっては、75歳以上のドライバーの認知機能検査を強化した改正道路交通法が昨年3月に施行されるなどしている。(浦野直樹)