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 オウム真理教元信徒・高橋克也被告(59)の上告棄却決定の知らせを受けて、1995年の公証役場事務長拉致事件で死亡した仮谷清志さん(当時68)の長男実さん(57)は19日夜、勤務する成田空港で報道陣の取材に応じた。「一審、二審の無期懲役が軽くならずによかった。一つの区切りがついたんじゃないかなと思う」と語った。

 高橋被告は拉致事件にかかわったとされ、父の死の真実を知りたいと、実さんは高橋被告の裁判にすべて足を運んだ。だが「(高橋被告は)証言があいまいで、謝罪の言葉もなく、不満の残る裁判だった」と振り返った。

 これで一連の事件の刑事裁判がすべて終結する。「父の死の真相について納得しているわけでない。父の事件にかかわった人に、これからも真実に近づく証言を聞きたい。高橋被告には謝罪の気持ちを聞きたいと思っている」

 持ち歩いている手帳に父の写真をしのばせ、いつも父と一緒にいる気持ちだった。裁判手続きが終わった――。心の中で、そう父に伝えたという。(黒川和久)