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 2018年度の公的年金の支給額は今年度と同じになると、厚生労働省が26日発表した。年金額は毎年度、物価や賃金の動きに応じて見直される。今回は物価が上がる一方で賃金が下がったため、ルールに基づいて据え置く。支給額が増える時に伸び幅を抑える「マクロ経済スライド」も発動されない。

 18年度の支給月額は、国民年金で満額もらう人が6万4941円。厚生年金は、モデル世帯の夫婦2人分で22万1277円になる。40年間会社員だった夫の現役時代の月収(賞与を含む)が平均42万8千円で、妻がその間に専業主婦だったとの想定だ。6月支給分から反映される。

 この日公表された昨年の消費者物価指数(生鮮食品を含む)は0・5%のプラス。一方、14~16年度の実質賃金の動きなどから算出した賃金改定率はマイナス0・4%だった。こうしたケースでは、年金財源となる保険料を払う現役世代の賃金が減るのに、物価に合わせて支給額を増やせば収支バランスが崩れるとして据え置く決まりだ。

 マクロ経済スライドは、少子高齢化で支え手が減り、年金を受け取る高齢者が増える将来に備える仕組みだ。毎年度、年金額が減らない範囲で伸びを抑えるルールのため、これまでデフレでほとんど実施されず、今回も見送られる。

 一方、18年度から強化策が導入される。本来差し引くはずだった分を、年金が増えたときにまとめて引き下げられるようになる。厚労省によると、今回持ち越す抑制率は0・3%になる。(佐藤啓介)

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