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 エアコンや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電の売り上げが復調してきた。日本電機工業会が24日発表した昨年の国内出荷額は前年比2・0%増の2兆3479億円で、1997年(2兆3558億円)以来20年ぶりの高水準だった。環境意識の高まりや共働き世帯の増加で、「省エネ」や「時短」をうたう高価格品がよく売れ、人口減の逆風を跳ね返している。

 牽引(けんいん)役は出荷額の6割を占める上位3品目だ。昨年はルームエアコンが6・2%増の7232億円、電気洗濯機が2・7%増の3277億円で、電気冷蔵庫は0・8%減の4237億円と微減だった。10年ほど前と比べれば、いずれも2~3割前後増えている。

 エアコンは「売れ筋の二極化」(三菱電機広報)が進む。「1部屋に1台」の傾向が強まって低価格品が売れる一方、省エネ性能に優れた高価格品も好調だ。ダイキン工業の最高級機種「うるさら7(セブン)」は、税別の想定価格が29万円(14畳)ながら「前モデルより売れ行きがよい」(広報)。冷蔵庫と洗濯機は出荷台数は伸びていないが、売れ筋の大容量化とともに販売価格が上がった。1台あたりの平均価格は冷蔵庫が約11万円、洗濯機が約7万円で、10年前より2~3割高い。

 「家事の手間と時間を減らしたい消費者が増えている」とビックカメラ有楽町店の家電販売員は話す。シャープは冷蔵庫の大容量機種に大型冷凍庫「メガフリーザー」をつけ、「まとめ買いで買い物や調理を減らせる」とアピール。パナソニックはドラム式の洗濯乾燥機「VXシリーズ」で、乾燥や洗濯の効率を高める技術で「時短」をうたう。日立製作所は、業界最大の12キロの容量が売りの洗濯乾燥機を投入している。

 ほかの白物家電でも、消費者の志向をうまくとらえたヒット商品が投入され、市場のすそ野を広げた。ヘアドライヤーは髪を乾かすだけでなく、ヘアケア機能をつけた商品が人気で、出荷額はこの10年間で8割増。電動歯ブラシは、ポケットに入るサイズで携帯しやすい商品がヒットした。空気清浄機は、花粉やウイルス対策などをうたう商品が次々と発売されている。

 白物家電の出荷額は消費税やエコポイントなどの政策にも左右されるが、同工業会は「買い替え需要が中心のため、今後も市場規模は安定して推移するだろう」(調査統計課)とみている。(川田俊男、内藤尚志)