[PR]

 川崎市の有料老人ホームで2014年、入所者の男女3人が相次いで転落死した事件で、殺人罪に問われた元職員の今井隼人被告(25)の第2回公判が24日、横浜地裁で開かれた。最初に転落死した入所者男性(当時87)の事件について冒頭陳述があり、検察は、男性へのストレスが事件のきっかけになったと主張。一方、無罪主張している弁護側は事故だったと述べた。

 検察側によると、亡くなった男性は認知症で、日ごろから職員に暴行や暴言があったため、今井被告は「目障り」だと思っていた。冒頭陳述では、今井被告が夜勤だった14年11月3日夕、男性から「お前ぶっ殺すぞ」などと暴言を受け、さらに男性が同日午後9時ごろ、食堂のテレビを壊しているのを目撃し、「ストレスを爆発させて殺害を決意した」と主張。同日午後11時~翌4日午前1時ごろの間に男性をベランダに誘導し、投げ落としたと述べた。

 弁護側は、男性は帰宅願望が強く、認知症の影響で徘徊(はいかい)をしたり、他の入所者の部屋のベランダに出たりするなどしていたと指摘。「男性が帰宅しようとして転落した事故だった」と主張した。

 この日は男性の長女が検察側の証人として出廷。男性は14年6月に左太ももを骨折して以降、足を引きずるように歩き、階段なども使っていなかったと証言。「高さ約115センチのベランダを自力で乗り越えるのは無理だと思う」などと述べた。(古田寛也)