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 「アレクサンダー大王空港」やめます――。旧ユーゴスラビアの一国であるマケドニアのザエフ首相は24日、同国の首都スコピエの空港の名を改めると表明した。

 1991年に独立したマケドニアの国名に、隣国ギリシャは長年反対してきた。マケドニアという地域はギリシャやブルガリアにまたがる。また古代ギリシャでマケドニア王国を率いたアレクサンダー大王はギリシャ人の誇りでもある。その名を冠した空港は、ギリシャの国民感情を刺激していた。

 ロイター通信などによると、ザエフ氏はスイスで24日、世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)の機会に隣国ギリシャのチプラス首相と会談。国名問題の解決に向けた協議を加速させることで一致した。ザエフ氏は終了後、記者団の前で、対立の象徴とも言える空港の名称変更を表明し、歩み寄る姿勢を示した。

 昨年発足したザエフ政権は対外融和に力を入れ、ギリシャの横やりで加盟できていない北大西洋条約機構(NATO)と欧州連合(EU)への加盟を目指す。国連の仲介で新国名も含む解決策について両国の交渉が本格化している。

 ただ21日にはギリシャのマケドニア地方の中心都市テッサロニキで9万人超とされる大規模デモがあり、「マケドニア」を含む国名への根強い反対が示された。両国政府は融和姿勢で交渉を進めるが、国内のナショナリズムを抑えられるかが焦点だ。(ウィーン=吉武祐)