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 ブラジルで2010年までの2期8年にわたり大統領を務め、収賄と資金洗浄の罪に問われたルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ被告(72)に対する控訴審判決が24日、同国の連邦控訴裁判所であった。裁判所は禁錮9年6カ月とした一審判決を変更し、禁錮12年1カ月の判決を言い渡した。ルラ元大統領には異議申し立てが認められており、異議に対する最終決定が出た時点で身柄を拘束される見通しだ。

 ルラ元大統領はかつて国を高度成長に導き、8割以上の支持率を誇ったカリスマ的指導者。今年10月の大統領選への出馬を表明し、世論調査では支持率で首位を走っているが、二審での有罪判決を受け、法の規定により出馬の道が閉ざされる可能性が濃厚になった。

 判決によると、ルラ元大統領はブラジルの建設大手OAS社から06~12年、国営石油会社との契約を世話する見返りに、サンパウロ近郊の海沿いにある豪華マンションやその改修費など計220万レアル(約7600万円)相当の賄賂を受け取った。

 同国南部ポルトアレグレの裁判所で言い渡された判決は、3人の裁判官全員一致の意見。裁判官らは量刑を重くした理由について、大統領でありながら汚職の主導的立場にあったとして「責任は極めて重い」と指弾した。

 ルラ元大統領の汚職疑惑は、14年に発覚した政財界の大規模な汚職事件の捜査の中で司法取引に応じたOAS元社長が供述。ルラ元大統領は「利益供与は受けていない」と一貫して否認してきた。

 ルラ元大統領は他にも、収賄や捜査妨害などの罪で6回にわたって起訴されており、今後、裁判が本格化する。

 ルラ被告は03年、中道左派の労働党政権の初代大統領に就任。14年のサッカー・ワールドカップや16年のリオデジャネイロ五輪の招致を成功させた。貧困を削減し、国を高成長に導いたとして世界的に高い評価を得たが、16年に発覚した同氏を巡る汚職疑惑で国民の批判が高まり、後継者のルセフ元大統領を罷免(ひめん)する弾劾(だんがい)裁判を加速させた。(サンパウロ=田村剛

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