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 京都大iPS細胞研究所(CiRA〈サイラ〉)の特定拠点助教の論文に捏造(ねつぞう)や改ざんの不正があった問題で、山中伸弥所長が自らの給与の全額を今月から当面の間、研究所の基金に寄付する意向であることが、25日分かった。CiRAが取材に明らかにした。

 山中所長が自身の給与を寄付するのは、iPS細胞の医療応用に向けた研究に役立てるために広く寄付を募る「iPS細胞研究基金」。論文の捏造や改ざんが認定された研究に使われた研究費310万円のうち約230万円がこの基金から支出された。山中所長はマラソン大会に出場した際などに研究への支援の呼びかけと、寄付集めに取り組んでいる。

 CiRA国際広報室によると、山中所長が寄付するのは、不正の検証や再発防止策などで本来の仕事ができないことに責任を感じているのが理由で、「自分自身を納得させるため」としているという。

 山中所長は24日に京都市内であった講演でも「研究所の活動に寄付は必須だが、今回のことと寄付活動を続けることを皆さんにどう納得してもらえるのか考え、最良の方法を探したい」と述べていた。

 問題の論文は、ヒトのiPS細胞から脳の血管内皮細胞をつくり、脳に入る血液中の物質を選別する「血液脳関門」と同じ働きが確認できたとする内容だが、京大の調査委員会により、計17カ所で捏造、改ざんが認定された。(西川迅)