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 スイス東部ダボスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会に出席中の著名投資家ジョージ・ソロス氏(87)は25日夜、報道機関幹部との会合で、米ソーシャルメディア大手のグーグルとフェイスブックを名指し、「人々がどう考え、どう行動するかについて、本人に気づかせずに影響を与えている。極悪だ」と痛烈に批判した。

 ハンガリー系米国人のソロス氏は、自らが理想とするリベラルな「オープン・ソサエティー(開かれた社会)」を促進するための財団を立ち上げ、世界中で多額の資金を投じて市民活動などを応援している。

 ソロス氏は会合でのスピーチで、これからの時間を「(基盤事業を握る)巨大ITプラットホーム企業の寡占的行動」への対策に費やす考えを表明。2016年の米大統領選挙をはじめ選挙の動向さえも左右しているとして「民主主義に対する脅威だ」と指弾した。

 さらに、広告収入に依存するソーシャルメディア企業の現行ビジネスモデルは、新規ユーザー獲得ののびしろがなくなってきていることから、「持続可能ではない」と指摘。それらの企業が、蓄積した利用者の情報を使って「商業目的で利用者の関心を操作すること」に乗り出すことに懸念を示した。

 究極的には、専制国家とデータを蓄積したIT寡占企業の協働による、自由のない監視国家が生まれる危険性があると警告した。(ダボス=松尾一郎)