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 ボルダリングの女王の地元に新たな壁が誕生した。ワールドカップ(W杯)で4度、年間総合優勝を果たしている野口啓代(あきよ、28)が生まれ育った茨城県龍ケ崎市の総合体育館にそびえ立つのは、野口がホールド(突起物)の一部をセッティングした高さ4メートル、幅7メートルのカラフルな壁。26日の完成式を兼ねたイベントには野口も出席。後輩の小学生たちに演技指導もした。

 龍ケ崎市立八原小の5年生の時、家族旅行先のグアムで初めて人工壁を登ったという野口は、「私がクライミングを始めたのも小5の時。みなさんを見て、懐かしさを覚えた」。集まった八原小の5年生の子どもたちに語りかけた。

 野口の模範演技の後、みんなで壁登りに挑戦。「しっかり足を踏ん張って」「あのホールドを目標にして」などと先輩の指導を受けながら、子どもたちは斜度が異なる(85度、90度、100度)三つの斜面を懸命に登った。壁は2月から、一般に開放される。

 登る技術を競うボルダリングは、2020年東京五輪の新競技・スポーツクライミングの1種目。ほかに高さを競うリード、速さを競うスピードがあり、計3種目の総合で争われる。

 五輪に出られる日本選手は男女とも最大2人。ボルダリングを得意とする野口は3種目の総合でもトップレベルにいるが、10代の若手の台頭も著しい。この競技で28歳は、もう「大ベテラン」の域と言える。

 17年前に初めて壁に触れた時と同じ年齢の後輩たちから、「龍ケ崎の星として頑張ってください」とエールを受けた野口は、「感動した。大会で登っているときに(声援を受けたことを)思い出しそう」。2月3、4日にある今季の初戦・ジャパンカップに向け、気持ちを新たにしていた。(平井隆介