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 京都大iPS細胞研究所(CiRA〈サイラ〉、山中伸弥所長)の論文不正問題について、共同通信が、山中氏が論文を掲載した科学誌の創刊に関わったことを問題視するようにも読める内容の記事を配信後、同じアドレスでほぼ別の内容の記事に差し替えた。ただ、読者に経緯の説明がなかったことから、批判も出ている。

 共同通信は1月25日午後、「山中氏、科学誌創刊に深く関与か」との見出しの記事を配信。「問題の論文を掲載した米科学誌の創刊に、山中伸弥・研究所長が深く関わったことが分かった」との書き出しで、創刊時の山中氏のコメントなどを引用した。この記事に対しては、ツイッター上などで、山中氏が科学誌の創刊に関わったことと論文不正との関係について「ミスリードする内容だ」といった批判が相次いだ。

 共同は同日夜、同じアドレスで「山中所長が給与全額寄付」との見出しで、山中所長が給与を全額寄付することなどを紹介した記事を配信。ほぼ別の内容の記事に差し替わった。だが、こうした経緯の説明などがなかったことから、記事を紹介した同社公式アカウントのツイートが26日午後8時の時点で900回超リツイートされ、「何の謝罪もなく記事をなかったことにしようとしている」「訂正や謝罪はないのか」などの批判が上がった。

 同じアドレスで記事の内容が大きく変わった理由などについて、共同通信は取材に対し、「新たな要素を加えて記事を差し替えました。編集上、必要と判断しました。その他についてはお答えは控えさせていただきます」と答えた。

 ネットメディアに詳しい藤代裕之・法政大准教授は「記事の内容を追記することはよくあることだが、今回の記事は趣旨がまったく変わっており、追記の範疇(はんちゅう)とは言えない。なぜそうしたのか読者がわかるような説明や、別のアドレスで配信するなどの対応をとるべきだったのではないか」と指摘している。