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 国が策定を義務づけている火山災害時の避難計画について、全国の対象155市町村のうち、策定を終えたのは3割にとどまっている。23日に噴火した草津白根山(群馬県)周辺の5町村でも、地元・草津町など4町村が未策定だった。

 御嶽山の噴火を受け、国は2015年に活動火山対策特別措置法を改正。111ある活火山の中で、気象庁が24時間観測する49火山周辺の延べ155市町村が警戒地域に指定された。九州でも桜島や雲仙岳など九つの活火山があり、24市町村が指定されている。各市町村は火山災害に備え、登山者や住民らの避難場所や避難経路の設定、避難訓練の実施など6項目を盛り込んだ避難計画を作り、地域の防災計画に反映させることが求められた。

 だが内閣府によると、17年6月時点で、6項目が入った計画を策定したのは51市町村(33%)しかない。

 草津白根山周辺の指定自治体では嬬恋村を除き、草津町、高山村など4町村が未策定だ。草津町は05年に火山防災計画を作成し、避難訓練や連絡態勢、山頂付近にシェルターを13カ所設けるといった対策を進めてきたが、近隣自治体との調整など事務が追いつかず、法改正後の計画には対応できていないという。高山村は火山周辺が国有林に囲まれ、登山道は一般開放されていない。山菜採りで入山する人もいるが、村は「どこで山菜採りをしているか分からない人を対象にシェルターを建てるのは現実味がない」と説明する。

 14年に噴火した御嶽山周辺の長野県王滝村。噴火後、避難経路や避難場所を盛り込んだ防災計画を策定したが、法改正でより具体的な計画が必要になった。県危機管理防災課は「関係団体との調整が必要なほか、登山客やスキー客への情報伝達や避難誘導をどうするか、検討課題は多い」としている。

 対象市町村の中には、防災担当職員が1人だったり、火山災害の経験がない自治体が多く、計画の策定は全体的に滞りがちだという。内閣府の担当者は「盛り込む内容が多く、自治体だけでは人手が足りないため、国も職員を派遣して取り組んでいる。二人三脚で進めたい」と話している。