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 チェコ大統領選の決選投票が26、27日にあり、移民流入の恐れを強調し、ポピュリストと評されている「親ロシア・中国」の現職ミロシュ・ゼマン氏(73)が、接戦を制して再選を果たした。前チェコ科学アカデミー総裁のイジー・ドラホシュ氏(68)は「親欧州連合(EU)」を訴えて挑み、チェコが中ロと西欧のどちらに近づくのか注目が集まった。

 選挙は事実上、ゼマン氏に対する信任投票だった。チェコ統計局の発表によると、開票終了の数字で得票率はゼマン氏が51・4%、ドラホシュ氏が48・6%。

 ゼマン氏は「反イスラム」を鮮明にして、チェコでは深刻ではない移民問題で恐怖をあおってきた。ときに尊大な態度で汚い言葉も使う一方、親しみやすさを演出して地方住民や高齢者の人気を得てきた。

 また、ウクライナ問題でEUによる対ロシア制裁に反対し、中国との関係改善を重視。隣国ポーランドやハンガリーの指導者と並び、EUには懐疑的な姿勢だ。

 チェコで実際に政権を担うのは首相だが、大統領は首相を指名して組閣を命じる役割があるほか、その発言は社会的影響力を持つ。

 ドラホシュ氏は選挙戦で、大統領職は品位を保つよう訴え、ゼマン氏の振る舞いが国を二極化していると批判。都市住民や若者層の間で多くの支持を得てきた。9人で争った第1回投票では、複数の候補が敗れた直後にドラホシュ氏支持に回ると表明。「反ゼマン」陣営として結束したが、一歩及ばなかった。

 ドラホシュ氏は移民容認派ではなく、EUによる移民受け入れの割り当てにも反対していたが、ゼマン氏が「チェコで不法移民を歓迎するのは、ドラホシュ氏ただ一人だ」と攻撃したことも影響したようだ。(プラハ=吉武祐)

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