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 名護市辺野古で進む米軍普天間飛行場の移設工事では、国が今後、名護市長の「同意」を得なければならない工事や作業がある。

 市によると、移設工事に関係する市長の権限は主に四つある。中でも国が避けて通れないのは、埋め立て予定区域に注ぎ込んでいる美謝(みじゃ)川の流路変更だ。

 美謝川は辺野古ダムや米軍キャンプ・シュワブ内を通って大浦湾に流れ込む。埋め立てで河口がふさがれるため、流路を変えなければならない。

 川は国の管理だが、中流域にある辺野古ダムと水道施設は市の管理で、一帯の流域も市が管理する。市の条例は、流路変更には市との「協議」が必要としている。担当者は「協議というのは市の同意が必要ということ。工事を強行すれば訴訟問題になる」。

 沖縄防衛局は2014年、市の同意を得られないと考え、市の管理域より下流から流路を変えるよう、埋め立て計画の変更を県に申請した。だが、1キロ以上にわたり地下を流れることになり、県が環境への影響の懸念を示したため、防衛局は申請を取り下げた。

 稲嶺氏は「市長権限を行使していく」と繰り返し主張しており、今回も再選されれば、流路変更には同意しない構えだ。一方、渡具知氏は再編交付金を受け取る方針をとっており、移設を事実上容認する。

 国は5年間で予定地の埋め立てを終える計画だが、流路変更の申請は現在、棚上げしている状態だ。政府関係者は「市との協議を無視するわけにはいかない。現在は埋め立てまで工事が進んでいないので、触らずそっとしている」と話し、市長選の結果に気をもむ。

 ほかにも、国の計画に盛り込まれている辺野古ダム周辺での土砂の採取や辺野古漁港の資材置き場の使用などには、市との協議が必要。ただ、これらは本体工事に直接関係しない作業のため、国が計画を見直して回避する可能性がある。(小山謙太郎)

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