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 名古屋市は、名古屋港・空見ふ頭(同市港区)での大規模展示場計画を断念する方向で検討に入った。河村たかし市長の肝いり事業だが、建設に必要な愛知県の大村秀章知事の同意が得られないままだった。河村氏は29日の記者会見で、候補地を所有する東邦ガスの意向を踏まえ最終判断する考えを示した。

 河村氏は、金城ふ頭の市国際展示場の拡張や、中部空港島(同県常滑市)につくる県の新展示場と合わせ、名古屋圏の展示場機能を15万平方メートル以上にすると主張。空見ふ頭に約5万平方メートルの展示場を建設するため、今年度、調査費2千万円を計上した。

 ただ、建設には候補地の用途を工業用地から変える必要がある。許認可権は名古屋港管理組合が持っており、組合に出資する県の同意は不可欠だ。しかし、大村氏は候補地の土壌汚染などを理由に同意しない考えを示していた。県の展示場との競合を懸念する声もあり、市議会は河村氏と大村氏の関係改善を調査費の執行条件とする付帯決議を可決し、調査に入れずにいた。

 年度末を控え、市が改めて県に意向を確認すると、26日に文書で不同意の回答が届いた。河村氏は29日の会見で「産業をやっている人のために、東京ビッグサイトと競争できる展示場をつくることは義務だ」と改めて主張した。

 一方、大村氏は同日の記者会見で「土壌汚染対策やあおなみ線の新駅整備で相当の費用と時間がかかるため、空見地区での事業可能性はなく、賛同できないと指摘していた。市の方針は驚くことではない」と述べた。