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日曜に想う

 世界でもっとも有名であろうあの怪物は、ある夏の、スイス・レマン湖畔の雨続きの天候から生まれた。

 湖畔に滞在していたのは、名高い英詩人のバイロン、同じく「冬来たりなば春遠からじ」の詩句で知られるシェリーとその夫人メアリーたちだった。雨に閉ざされる日々に飽きて、退屈しのぎに「一作ずつ怖い物語を書かないか」と言い出したのはバイロンだったらしい。

 それをきっかけに、まだ18歳だったメアリーが筆を起こし、ほぼ1年がかりで「フランケンシュタイン」を書き上げたのは、英文学史上に知られたエピソードだ。その翌年の1818年1月に出版されているから、あの怪物が世に出てから今年でちょうど200年になる。

 フランケンシュタインとは怪物の名ではなく、生命を操る好奇にかられて怪物をつくりだした科学者の名である。自分が生命を与えた人造人間に追いつめられて、ついには落命してしまう。

 メアリーの生きた時代、科学はめざましい進歩を見せ、技術の発展は産業革命をもたらした。そうした近代社会を背景に、この小説は、最高の知性が最悪のモンスターを生むかもしれない不安や、倫理のゆらぎを暗示して今日的だ。久しぶりに手に取ってみると、古びるどころかますます深い読み方を求めてくる。

     ◇

 あらためて読み直してみたのは、先月の下旬、朝日新聞に載った1枚の写真にふと不気味さを覚えたからだ。

 クローンのサルが2匹、抱き合…

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