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 東京大学の研究チームが、強力な電磁石を組み込んだ実験装置を使って、世界最高となる985テスラの磁場を発生させることに成功した。テスラは磁場(磁力)の強さを示す単位で、同チームが過去に達成した730テスラの記録を大幅に更新した。強力な磁場は、超伝導や磁石の新たな材料探しなど様々な研究に役立つという。

 30日付の米科学誌電子版に発表した。東京大物性研究所の嶽山(たけやま)正二郎教授(物性物理)によると、「電磁濃縮法」と呼ばれる方法を使った。鉄と銅でできた特殊なコイルに、約4千キロワットに相当する電気を約1万分の1秒流し、一瞬だけ強力な磁場を発生させた。ダイナマイト数本分に相当する爆発が起きるため、実験は鉄製の壁で囲まれた防護箱内で行ったという。

 病院の検査などで使うMRI(磁気共鳴断層撮影)装置が発生する磁場は3テスラほどという。(小堀龍之)