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 9日の平昌五輪開会式まであと1週間となった2日、各競技会場の準備は着々と進んでいる。氷上競技の行われる江陵の会場は完成。雪不足が懸念された平昌の雪上競技会場は主に人工雪でまかなう。心配は、スキー・ジャンプ会場の強風だ。

 アルペンスキーの技術系種目が行われる竜平(ヨンピョン)リゾートでは昨年12月上旬から人工降雪機を使い、五輪コースの整備を始めた。1月中旬には圧雪した斜面に水を注入する作業に取りかかり、国際大会仕様の硬いコースに仕上げている。同スキー場の関係者は「例年より寒さが厳しいため、作業は予想より順調だ」と話す。仮設の観客席を徹夜作業で設置している。

 雪上競技の行われる江原道はもともと降雪量が少ない。大会組織委などによれば、五輪期間中の通算積雪量は1981年から2010年までの平均で41・3センチだったが、昨年は10センチ以下。竜平リゾートや旌善スキー場、フェニックスパークの雪上競技会場では人工雪を作るための貯水場が作られ、大会期間中は計210万立方メートルの人工雪を必要とする。五輪コース向けに約200台の人工降雪機を用意した。

 ただ、日中の気温が上がると、固めたコースは荒れやすくなる。日本のアルペン関係者は「スタート順の遅い日本勢は好タイムを出せなくなるのでは」とやきもきする。

 スキー・ジャンプは、風力発電が盛んな山岳部で行われる。安全確保のため、高さ最大約25メートル、幅計約255メートルの巨大な防風ネットがジャンプ台を囲むように設けられている。それでも、昨年2月の男子ワールドカップ(W杯)では強風のため当初のラージヒルからノーマルヒルに変更され、競技進行は10分ほど遅れた。

 大会組織委のデータによると、競技の行われる五輪期間中の午後8時以降、ジャンプ台周辺の風速は平均で秒速5メートル以下におさまるが、競技に不利な追い風が向かい風よりも強く吹く。竹内択(北野建設)は昨年のW杯で「(向かい風に)当たれば宝くじ」と、吹き荒れる様子を表現した。

 前回ソチ五輪では、金メダルの有力候補だった高梨沙羅(クラレ)が追い風に見舞われ、4位にとどまる不運があった。防風ネットの設計を手がけた1級建築士の赤羽吉人さん(68)=長野市=は「選手が安全に飛べるよう仮設ではなく、常設にした。公平な条件を保つために平等に吹いてくれれば」と願っている。(笠井正基)