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 団塊の世代が高齢化し、“多死社会”が本格化します。大切な家族が亡くなったら、どこに相談すればいいのか。葬儀の費用はいくらかかるのか。自分が眠る墓はどうするのか――。お葬式やお墓への不安が尽きません。いずれ誰にもやってくる弔いのあり方について、みなさんとともに考えます。

寺との付き合い、断った

 埼玉県深谷市の会社員、松本江美子さん(53)からメールが届きました。寺との付き合いを断ち、家族だけのこぢんまりした葬儀を営んだと言います。詳しく聞いてみました。

 きっかけは5年前、84歳で亡くなった父の葬儀でした。母は認知症で施設に入っていて、寺との付き合いは父任せでした。一人っ子の松本さんは親戚もほとんどなく、相談相手もいないなかで、葬儀社から祭壇や棺のランク、料理の人数などを次々に尋ねられました。僧侶への対応にも追われ、父の死に向きあう余裕がなかったと言います。

 戒名料を含めたお布施はいくらか僧侶に聞くと「15万円から」と言われました。「から」が気になりましたが、15万円を払いました。葬儀社への支払いもあり、全部で50万円かかりました。1カ月後、友人の父が亡くなり、同じ僧侶でした。友人へはお布施として「35万円から」と求めたそうです。「お布施が不透明で、不信感が残りました」。四十九日法要は僧侶を呼ばず、家族だけで納骨しました。

 昨年12月、90歳の母が施設で亡くなりました。インターネットで調べ、定額の葬儀を提供する業者に頼みました。06年に設立され、全国で使える葬儀場は約3500式場に上ります。葬式の件数は年々増え続け、16年度までに10万件以上を手がけました。僧侶のほかに葬儀社も紹介しています。

 母の葬儀代は、僧侶へのお布施も含めて20万円。紹介された僧侶とは火葬場で初めて会い、火葬する前にお経をあげてもらい、3万円を渡して帰ってもらいました。火葬場では家族だけです。母に戒名はなく、四十九日法要もしません。

 墓は父が生前に民間霊園にたてましたが、「子どもたちに墓守をさせたくない。墓や家にしばりつけたくない」とその墓を閉じる予定です。代わりに、業者に紹介してもらった永代供養墓に父母の遺骨を納めます。自分が亡くなれば海洋葬にして、海に遺骨をまく散骨をしてもらいたい。子どもたちにも伝えました。

 家に仏壇はありません。部屋の棚の上に両親の写真を飾って線香を供え、食事中に話しかけています。松本さんは「遠くにあって、なかなか行けないお墓より、身近にある写真や大切なもののほうが追慕できると思います」と話しています。(岡田匠)

「お気持ち」明示する寺院も

 お葬式にはいくらかかるのか。…

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