【動画】第76期将棋名人戦・C級2組順位戦9回戦に勝ってC級1組への昇級を決め、四段から昇段した藤井聡太五段
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 中学生棋士の藤井聡太五段(15)が1日、第76期将棋名人戦・C級2組順位戦(朝日新聞社、毎日新聞社主催)の9回戦で勝利し、最終10回戦を待たずにC級1組への昇級を決めた。昇級によって四段から五段への昇段規定を満たし、同日付で将棋界初の「中学生五段」になった。4強まで勝ち残っているトーナメントで今月優勝し、六段に昇段する可能性もある。

 藤井五段はこの日、梶浦宏孝四段(22)と対戦し、終盤で鋭い踏み込みを見せて勝ちきった。C級2組に参加する50人のうち昇級できるのは成績上位3人だが、ただ1人無敗の9連勝で1位となることが確定した。「順位戦では1年間、昇級を目指して戦ってきたので、果たせたのはうれしい」と語った。梶浦四段は「予想していなかった手で来られて、切られてしまった」と振り返った。

 C級2組は、五つある順位戦のクラスで最も下位だが、新人に加え、地力のあるベテランや新進気鋭の若手がひしめく。藤井五段に公式戦で勝った経験がある三枚堂達也六段(24)は今期ここまで4敗、佐々木大地四段(22)も2敗を喫した。後のタイトル保持者がこのクラスで苦戦する例も少なくないが、藤井五段は最終戦を残して昇級を決めた。順位戦の持ち時間は、1日制の対局で最長の各6時間。午前から深夜までかかることが多く、すさまじい集中力が求められる。

 師匠の杉本昌隆七段(49)は「1局を残して昇級を決めたのは驚き。内容に安定感があり、堂々の昇級だと思う」とたたえる。C級1組に所属する杉本七段はB級2組への昇級を目指す立場だが、成績次第で、来期は師弟で同じクラスになる可能性がある。

 17日には、第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の準決勝で、羽生善治竜王(47)と対戦する。1日の対局後、藤井五段は「自分の力を出し切りたい」と意気込んだ。この対局と決勝に勝てば、史上最年少(15歳6カ月)での棋戦優勝となり、「全棋士参加棋戦優勝」の基準を満たして六段に昇段する。(村瀬信也