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 4日に投開票される沖縄県名護市長選。地元の高校の1学年違いで、今回初めて選挙に関わり、別々の候補を応援する2人の大学生がいる。米軍普天間飛行場を移す先として名護市辺野古が浮上して20年余り。物心つく前からの歴史の重みを感じながら、ふるさとを思い、行動している。

「フェイク」に踊らされたのは自分

 3日、沖縄国際大(宜野湾市)4年の具志堅秀明さん(24)は名護市内を巡って、現職の稲嶺進氏(72)への支援を呼びかけた。

 ヒップホップが大好きだ。米国文化にあこがれ、米軍基地内にあるバーでアルバイトをした。同世代の米兵は、学費を稼ぐために軍隊にいると明かした。心に傷を負い、食べては嘔吐(おうと)を繰り返す米兵も見た。基地への疑問が膨らんだ。

 「普天間飛行場は昔、田んぼの中にあった」「反対派は偽装県民」――。ネットで飛び交う情報を、普通に信じていた。だが、大学で、それが事実ではないという教員に出会った。論破してやろうと調べると、自分の方が「フェイク」に踊らされていたとわかった。大学の図書館で働く人は、2004年の大学への米軍ヘリ墜落後、今も機影に身がすくむ、と言った。

 基地問題に関心を持つようになり、同世代が基地について考えるイベントを開くと聞き、15年1月、初めて移設計画への反対運動が続く辺野古に足を運んだ。それから3年。基地が地域に分断をもたらしている実態を知った。基地や原発の地元を旅で巡ると、対立の構図が各地にあった。

 国策に振り回された地域でこそできることは何か。考えて出した答えは「自立」。今、自給自足をめざす小さなコミュニティーづくりに挑戦している。市民がまちづくりを支える分、基地問題は市長に託したい。「どちらが勝っても分断はすぐには終わらない。ただ、基地が造られれば、傷は深まる」。そう感じている。

「ふるさとを好きじゃないと」

 名桜大(名護市)4年の新垣康大さん(23)は3日、新顔の渡具知(とぐち)武豊氏(56)の応援に奔走した。

 東京の大学に1年間、国内留学した。辺野古について次々と尋ねられ、うわべだけの説明しかできなかった。一方で、沖縄が好きでも基地問題から目を背けたり、沖縄戦の慰霊の日も知らなかったりする同世代にショックを受けた。在学中、同じ高校の一つ年上の具志堅さんと友人の紹介で知り合った。

 名護に戻り、15年2月に具志堅さんの誘いで初めて辺野古へ。警官と市民が衝突する「怖い場所」のイメージとは違った。反対運動に集まる県内外の人たちから、沖縄の現状や歴史を学ばせてもらった。基地があることが当たり前ではないと知った。

 ただ「君は賛成なのか反対なのか」と迫ってくる人がいた。地域住民に対して威圧的な態度をとる人もいた。敵を作るような姿勢は誰のための運動なのかと疑問を抱き、足が遠のいた。

 大学で観光を学び、名護の将来像を模索してきた。県外出身者には「名護は何もないね」と言われ、地元を離れていく同世代も多い。「基地問題を考えていくにも、ふるさとのことが好きじゃなければ始まらない。市長になる人は、今は街の発展に力を使ってほしい」

 反対運動への中傷には「一度現場を見てほしい」と言いたい。移設反対の思いは変わっていない。それでも、今のままでは前に進めないと渡具知氏の応援を決めた。「名護が受け入れれば、普天間がなくなる。一つ一つ問題を解決し、時間がかかっても基地を減らしていってほしい。これ以上、対立が深まってほしくない」

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 名護市長選は4日投開票される。移設反対の稲嶺氏=民進、共産、自由、社民、沖縄社会大衆推薦、立憲支持=と、移設を事実上容認する渡具知氏=自民、公明、維新推薦=による一騎打ち。米軍普天間飛行場の移設問題の是非が焦点となっている。(木村司)