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 平昌(ピョンチャン)冬季五輪にあわせてソウルや氷上競技会場の江原道江陵(カンウォンドカンヌン)で公演する北朝鮮の三池淵(サムジヨン)管弦楽団のチケットの応募が3日、締め切られた。全体で530組(1060人)の募集枠に、約290倍の約15万6千組が応募。ソウル公演の競争率は468倍に達した。韓国では北朝鮮の五輪参加には複雑な感情が渦巻くが、高い関心を映し出した。

 チケット販売会社によると、8日夜に江陵アートセンターで行われる初公演(募集280組)には約3万9千組、11日のソウル国立劇場での公演(同250組)には約11万7千組が応募した。抽選を行い、当選者は6日発表される。入場料は無料で、北朝鮮に家族がいる離散家族らも招待される。

 同楽団の公演は1月15日の南北実務協議で決まった。これまで北朝鮮が韓国に派遣した芸術団としては最大規模の約140人で、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の肝煎りで創設された女性グループ、モランボン楽団の玄松月(ヒョンソンウォル)団長が率いている。

 ただ、三池淵管弦楽団はこれまで北朝鮮メディアにもほとんど登場せず、謎も多い。公演の内容も「統一の雰囲気に合い、南北でよく知られている民謡や世界の名曲などで構成すると北側は説明した」(韓国文化体育観光省)こと以外、明らかになっていない。それでも韓国の市民は「北の音楽を生で聴ける機会はめったにない」(ソウルの40代公務員)などと高い関心を示している。

 一方、韓国政府は公演に向け神経質になっている。1月、玄団長が先遣隊として訪韓した際、特別列車を用意するなどした対応が「気を使いすぎ」と批判を浴びたからだ。韓国統一省報道官は今月1日、国民に様々な意見があることを念頭に「(今回の公演で)北側に出演料や見返りは支給しない」と強調した。(江陵=武田肇