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 岩手県はこのほど、来年度以降に取り組むがん対策の重要目標を公表した。予防策として成人の喫煙率を22%から12%に下げるほか、がん検診の受診率を50%以上に引き上げ早期発見をめざす。患者の生活の質の向上や維持を図る緩和ケアの充実や、若年患者の学習や就労支援にも取り組む方針。

 1月31日にあったがん対策推進協議会で県が2018年度から6カ年の次期がん対策推進計画の最終案を示した。県によると、がんによる死亡者数(16年)は4521人で、総死亡者数の約3割を占める。75歳未満の人口10万人あたりの年齢調整死亡率は81・3で、全国平均76・1を上回っている。死亡率は全国的に低下傾向にあり、00年と比べて全国平均は27ポイント下がっているが、岩手県は13ポイントの低下にとどまっている。

 次期計画案では、がんの発症リスクとなっている喫煙の対策として、喫煙率低下の数値目標が盛り込まれている。岩手県は22・6%で、全国平均19・8%を上回っている(16年)。非喫煙者のがんリスクを高める受動喫煙を防ぐため、事業所での全面禁煙や分煙化を促す。対策を施している事業所は約6割で、20年には100%導入をめざす。

 がん検診受診率(40歳以上70歳未満、子宮頸(けい)がんは20歳以上)の引き上げ目標について、胃がん、大腸がん、子宮頸がんを50%、乳がんを55%、肺がんを60%にそれぞれ設定した。

 県は協議会での議論を踏まえ、3月中に次期計画をまとめる。

在宅緩和ケア、若年支援も 協議会で意見

 今年度4回開かれた協議会では、緩和ケアの従事者への研修強化や若年患者の支援について意見が出た。

 がん患者らでつくる「岩手ホスピスの会」の川守田裕司代表は今後、在宅医療を受ける患者が100万人を超えるとする国の推計結果を紹介。これを踏まえ、「在宅での緩和ケアのニーズも今後高まるので、在宅医療や介護ケアに携わる人への研修も計画に盛り込む必要がある」と要望した。

 がん治療に携わる岩手医大緩和医療学科の木村祐輔特任教授は、若年患者への支援を求めた。「高校生の患者に対し、講師を派遣して教育の機会が得られる仕組みを導入してほしい」と指摘した。

 文部科学省は16年度から、長期入院する児童生徒の学習機会を保障するために人材を配置するなどのモデル事業を始めており、16年度は福島県が高校生を対象に実施した。

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(角津栄一)