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 死刑執行から9年余。6日の福岡高裁決定は、久間三千年(くまみちとし)・元死刑囚の再審を認めなかった。「もっと早く再審請求していれば……」。そんな後悔を抱えながらも無実を証明しようとしてきた弁護人たちは、落胆の色を隠せなかった。

 「非常に残念。久間さんに申し訳ないです」。弁護団共同代表の徳田靖之弁護士(73)は高裁で決定文を受け取り、そう語った。

 高裁での控訴審から久間元死刑囚の弁護活動に本格的に関わった徳田弁護士。2006年に死刑が確定した後、元死刑囚から依頼され、再審請求の準備を進めた。執行の約1カ月前に面会した時は「(請求を)急がなければいけないね」と言葉を交わしていた。

 確定死刑囚の手記などをまとめた書籍「命の灯を消さないで 死刑囚からあなたへ」(インパクト出版会)によると、久間元死刑囚は08年8月、死刑廃止を訴える団体のアンケートにこう答えていた。「真実は一つしかない。私は無実である」「真実は必ず再審にて、この暗闇を照らすであろうことを信じて疑わない」。死刑執行のわずか2カ月ほど前のことだった。

 だが、再審請求の申し立てを行う前に執行された。刑が確定してから約2年という異例の早さ。徳田弁護士はそれ以降の日々を「針のむしろに座っている思いで生きてきた」と言う。

 主任弁護人の岩田務弁護士(7…

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