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 山梨県山中湖村の山中湖で湖面の一部が結氷して観光客の立ち入りが絶えず、村は転落事故に注意を呼びかけている。厳しい寒さが続き、冬の風物詩「ワカサギの穴釣り」が4年ぶりに楽しめるかもと期待されたが、意外にも氷は薄いという。

 結氷したのは水深が浅い北東部と北部の一部。村によると、氷の厚さは10センチ以下。氷上に雪が凍った「雪ごおり」があり、一見厚く見えるが、「強度がないので極めて危険」と村の担当者は話す。立ち入り可能な氷の厚さは15センチ以上で、氷の質や気象の週間予報も参考に判断するという。

 「山中湖交流プラザきらら」「平野ワンド」周辺の結氷した湖面は雪原のように見える。1月下旬以降、富士山を背景に幻想的な写真を撮ろうと立ち入る観光客が絶えない。村役場には目撃情報が連日寄せられ、そのたびに観光課職員が注意に駆けつけている。

 村や観光協会、警察、漁協などでつくる「村氷上安全対策協議会」は、湖畔に立ち入り禁止を訴える約30枚の看板を立てた。中国語と英語も併記した。6日から朝夕、村の防災無線で氷に乗らないよう注意喚起も始めた。

 村によると、山中湖の湖面が完全に結氷したのは2006年1月が最後。13年と14年の1月にはそれぞれ1週間ほど、北東部の一部で穴釣りができるほどの氷が張ったという。村の小林正宏観光課長は「温暖化で年々凍りづらくなっている。年末から厳しい寒さが継続しないと、人が氷上に立てるほどの厚さに育たない」と話す。

 富士五湖の中で最も小さいため凍りやすい精進湖も、富士河口湖町役場によると今冬は穴釣りはできない。全面結氷したが強度が足りないという。河口湖も全面結氷したのは01年2月が最後。町役場によると、昭和30年代までは毎年、スケートができるほど凍ったが、近年は河口湖大橋より南東の湖面に薄い氷が張る程度という。西湖と本栖湖は、過去一度も全面結氷したことがない。本栖湖漁協によると、広くて深く、わき水が多いためという。(河合博司)