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 「今年は恵方巻きを昨年実績で作ります。欠品の場合はご容赦を」

 恵方巻きの大量廃棄が問題となるなか、兵庫県のスーパーがこんなチラシ広告を出した。結果的に客からの苦情はなく、支持する内容の電話やメールが相次いだという。

 広告を出したのは、兵庫県姫路市を中心に8店舗を展開するヤマダストアー(兵庫県太子町)。1日に出した、節分用の太巻きや餅を宣伝するチラシに大きな文字で「もうやめにしよう」と記し、「成長しなきゃ企業じゃない。けど、何か最近違和感を感じます」と続けた。

 中野篤・店舗運営部長によると、恵方巻きの売り上げはここ数年、右肩上がり。ただ、ここ数年はSNSで大量廃棄が問題となり、従業員から「このまま突き進んでいいのか」という声が出た。「スーパーでは『去年より多く作る』のが常識。欠品も怖い。ただ、人口減の時代、増やし続けるのは限界がある。スーパーが夜遅くまで開いていて、品ぞろえが豊富なのは当たり前という時代は終わりつつあるのでは」。そんな問題意識から、今年の恵方巻きは「昨年実績」とすることに落ち着いたという。

 8店舗のうち、3店舗では数を読み切れずに作りすぎてしまったものの、他の5店舗では完売。欠品に対する苦情は特になく、逆に激励の電話やメールが多く届いたという。「消費者の意識が変わりつつあるのを実感しました」と中野さんは話す。(仲村和代)