【動画】自衛隊ヘリが墜落したとみられる現場=読者提供
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 防衛省に入った連絡によると、5日午後4時43分ごろ、陸上自衛隊目達原(めたばる)駐屯地(佐賀県吉野ケ里町)の南約4キロの住宅街に、陸自のAH64D戦闘ヘリコプターが墜落した。目達原駐屯地の管制官から防衛省への報告によると、機体は西に向かって飛行中に機首から地上に墜落、炎上したという。

 小野寺五典防衛相は5日夜、防衛省で報道陣の取材に応じ、佐賀県警からの情報として、墜落したヘリの搭乗員1人が死亡し、1人を捜索中と明らかにした。小野寺氏は「このような事故が起き、民家に墜落したということは大変申し訳なく重く受け止めている。おわびを申し上げる」と述べた。

 防衛省によると、ヘリは西部方面航空隊第3対戦車ヘリコプター隊(目達原駐屯地)の所属。死亡したのは、高山啓希1等陸曹(26)、行方が分からなくなっているのは斉藤謙一2等陸佐(43)という。

 陸自トップの山崎幸二陸上幕僚長も5日夜、報道陣の取材に応じた。山崎陸幕長によると、ヘリは5日午後4時36分に目達原駐屯地を離陸し、同43分に墜落した。飛行計画では、同駐屯地を離陸後、福岡県の久留米市や朝倉市方面を飛行し、駐屯地に戻る予定だったという。

 ヘリは50時間の飛行ごとに実施される定期整備後の点検飛行中だったという。墜落するまでの間、ヘリから管制官に異常を伝える交信はなかったという。

 また、神埼消防署によると、この墜落で11歳の女の子が、ひざに打撲とみられるけがを負い、病院に運ばれた。命に別条はないという。女児は、ヘリが墜落した住宅の室内にいたという。

 小野寺氏は陸自が保有するすべてのAH64D(全12機)の飛行停止とあわせ、陸海空自衛隊のすべてのヘリコプターについて点検や整備を徹底するよう指示した。

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 小野寺五典防衛相は5日、防衛省で記者団に「16時43分ごろ、佐賀県の目達原(めたばる)飛行場から南に4キロ離れたところで、陸上自衛隊目達原駐屯地所属のAH64Dヘリコプターの着陸・炎上が確認された」と発表した。

 さらに「現在、死者・損害の程度を確認中だが、映像を見る限り住宅などに墜落している状況」と説明。管制塔の情報として航空機との通信が不能となっており、「飛行中に機首から落下した模様」と述べた。小野寺氏は同省に被害情報と救助に全力を挙げるよう指示した。

 政府は墜落事故を受け、官邸内の危機管理センターに情報連絡室を設置した。

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 小野寺五典防衛相は5日夕、首相官邸で記者団の取材に応じた。小野寺氏によると、墜落現場は4人が居住する民家だが、現在4人の無事を確認しているという情報があるという。

 小野寺氏はこれに先立ち、安倍晋三首相と官邸で面会。首相からは人命救助の徹底と、自衛隊機の全てのヘリコプターについて徹底的な整備点検を確実に実施するとともに、事故を起こしたAH64Dについては当面、飛行停止とし、徹底した原因究明を行うように指示があったという。

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〈AH64D〉 2人乗りの戦闘ヘリコプター。全長約18メートル、全幅約15メートル。最大時速約270キロ。地上の100を超える目標を探知し、搭載しているデジタル通信式のデータリンクシステムで戦術情報を共有できる。空対空ミサイル「スティンガー」や70ミリロケット弾、30ミリ機関砲などを備える。