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 6日の東京株式市場は、前日の米国市場での株価暴落を受け、日経平均株価は午後の取引で一時1600円超も急落した。前日5日の米市場では景気過熱で利上げペースが速まるとの警戒感からダウ工業株平均が暴落し、終値は前週末比1175・21ドル(4・60%)安の2万4345・75ドル。2008年9月のリーマン・ショック時の777ドルを抜き過去最大の下げ幅となった。アジア市場も軒並み下落し、株安の連鎖が続いた。

 東京市場では取引開始直後から売り注文が殺到。電機や自動車、金融など幅広い銘柄で売りが進み、円高傾向で値下がりに拍車がかかった。午後に売りは加速し、下げ幅は一時1600円超と00年4月のITバブル崩壊時(1426円)を超す下落。5日に続く急落で昨年10月の水準に下落した。

 午後1時時点は前日終値より1364円76銭安い2万1317円32銭。東京証券取引所第1部全体の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も急落し、同102・06ポイント低い1721・68。韓国や中国、シンガポールなどアジア市場の株価も3%前後の下落となった。

 東京外国為替市場では投資家のリスク回避姿勢から「安全資産」の円が買われて円高ドル安傾向。午後1時時点は前日午後5時時点より1円28銭円高ドル安の1ドル=108円62~63銭。野村証券の沢田麻希氏は「米株が史上最大の下落幅になったことで、心理的な節目の2万2千円も割り込んだ。今後、米市場の動向を見極める必要がある」。SMBC日興証券の太田千尋氏は「米株急落が戻らず、低迷したままだと実体経済にも影響が出てくる可能性がある」と指摘する。

 世界株安の発端となった米国では、ダウ平均が前週末2日に665ドルも急落。同日公表の1月雇用統計で賃金上昇が予想を上回り、景気抑制のため米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを速めるとの見方から、一気に長期金利が上昇。株価暴落の引き金を引いた。

 週明けの5日も歯止めがかからず、パニック的な売りが続いた。投資家が損失拡大を防ぐために使う、株価が一定以上下がると自動的に売るプログラムが暴落を加速させたと指摘される。5日のダウ平均の下げ幅は一時1597ドルに達した。

 指数構成30銘柄すべてが下落した。原油先物価格の低下もあり、石油大手エクソンモービルなどエネルギー株の下げが大きかった。ハイテク株が多いナスダック市場の総合指数も急落し、同273・42ポイント(3・78%)低い6967・53で取引を終えた。

 米株価はリーマン・ショック後に上昇が続き、トランプ氏が米大統領選で勝利した16年秋から勢いを増した。金融緩和による世界景気拡大に加え、トランプ政権の財政政策で過熱感を増していた。市場では株価下落が景気を腰折れさせるとの悲観論も出ている。もともとの株価が割高だったとの指摘もあり、「あと数日で通常の状態に戻る」(米資産運用会社幹部)といった見方も出ている。

 米国市場では、5日夜の時間外取引でダウ平均がさらに500ドル超値下がりしており、6日も大幅続落となる可能性がある。(江渕崇=ニューヨーク、大隈悠)

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 麻生太郎財務相は6日午前の閣議後会見で、米国市場での株価暴落について問われ、市場動向についてコメントはしないとしたうえで、「企業の業績は悪くなっているのか。企業の業績は良くなっているのではないか」と述べた。

 また、茂木敏充経済再生相は会見で「日本経済はしっかりしている。金融資本市場の動向については日本経済にどのような影響を与えるかも含めて、注視して参りたい」と話した。