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 陸上自衛隊のヘリコプター墜落事故から一夜明けた6日朝、佐賀県神埼(かんざき)市の現場付近では、いつも通りに小学校や幼稚園、保育園へ向かう児童・園児らの姿が見られた。だが、車で送り届ける保護者や付近の住民からは、不安の声が漏れた。

 現場から100メートルほど離れた大立寺幼稚園・子どもの家保育園には、6日午前7時過ぎから子どもを送る保護者らが続々と訪れた。園内には警察官らが頻繁に出入りし、遊具付近では落下物を調べる自衛隊員の姿も見られた。

 神埼市の会社員中園恵美さん(24)は長女(2)とともに園へ。「昨日は子どもが救急車のサイレンの音を怖がっていた。落ち着かせようと、いつもより長く一緒に遊んだ」。車で長男(3)と次男(2)を送った同県上峰町の看護師藤戸由理さん(26)は、「一回こういうことが起きると不安。二度とないようにしてほしい」と注文をつけた。

 6歳の長男を預けている40代の女性は、墜落した家に住む中学生の男子生徒と次女が同級生。「点検後のテスト飛行だったと聞く。それなのにどうして民家の上を飛んでいたのか」と怒りをみせた。

 千代田中部小学校(児童264人)では、児童らが普段通り集団登校する一方、子どもを車で送る保護者らの姿も見られた。

 5年女児と3年男児の孫を乗せてきた女性(71)は「墜落したとき、孫はまだ帰宅していなかったが、無事でよかった。けがをした子が孫娘と同級生で心配」。子ども3人を車で送り届けた父親(35)は「沖縄で米軍ヘリのニュースが続いて心配だったが、まさかこんな近くで自衛隊ヘリが落ちるとは思わなかった」と話した。

 事故について全校放送するという田中達校長は「みんな大丈夫だよ。不安があったら先生に相談するようにしてね、と話したい」と語った。

 現場から北に50メートルほどの場所に自宅がある樋口富代さん(87)は、「心配よ」と現場を見に来た。「沖縄であがんことがあっても、遠隔地で気にしていなかった。安心して住まれんね」と話した。ただ、「飛ぶな言うても国のためにやってることだから、政治のことは分からんね」と語った。

 神埼市の松本茂幸市長は午前10時15分ごろ、山口祥義・佐賀県知事と現場を訪れ、被害者の川口貴士さん(35)と妻の留美さん(36)と面会。松本市長によると、夫妻は涙を流しながら「二度とこんな事故が起こらないようにしてほしい」と訴えたという。松本市長は「川口さんには『国、県、市ともに支えるので、何か困ったことがあれば何でも言ってください』と語りかけた。言葉にならない様子だった」と話した。