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 気温が連日、零下20度近くまで冷え込む山岳部の平昌(ピョンチャン)。温暖で雪不足が心配された過去2回の五輪から一転、平昌五輪に出る選手たちは雪上競技を中心に極寒とも闘うことになる。

 大会組織委員会の資料によると、山岳部で大会期間中(9~25日)の最低気温は1978年の零下27・6度。アルペンスキー競技の技術系種目が行われる竜平(ヨンピョン)リゾートで29年間働く金明来(キムミョンレ)さんは「去年までは暖冬で積雪が年々少なくなっていたが、今年は寒波が厳しい」。寒波警報は連日のように発令されている。

 寒さが競技続行に影響しそうなのはノルディックスキー距離と同複合の後半距離。ともに国際スキー連盟(FIS)の国際大会ルールによれば、コース内の最低気温が零下20度より下がれば審判はレースを延期または中止にするとある。FISのカスパー会長は「冬季競技は寒いもの。零下20度を下回っても空気が乾燥していれば競技は可能だが、湿度が高いと厳しい」と話す。日本の距離競技関係者は「コース内で零下30度近くに下がっても最高気温が零下20度ぐらいにならないと中止にならなかったことがある」と苦笑する。

 今回、寒さに加え、強風にも悩まされるジャンプ競技は気温による線引きはないという。女子ジャンプでは2014年1月にロシアのチャイコフスキーであったワールドカップで零下21・3度を記録。ジャンプスーツは薄手のため、当時優勝した高梨沙羅(クラレ)は取材時、寒さから歯の根が合っていなかったほどだ。6日に韓国入りした高梨は「チャイコフスキーの試合は寒いと言うより痛かった。寒さには強いと思う。零下十何度なら対応できる。気持ちで乗り切れるかな」と頼もしい。

 フリースタイルスキー・モーグル男子の遠藤尚(忍建設)は「リフトに乗る時間が長いので、手先や足が冷える。どう冷やさないか。ダウンパンツなどで対策している」と語る。

 温暖なブラジルから4大会続けて冬季五輪に出場するスキー距離女子のジャクリン・マウランは「零下20度を経験したことはあるけど、過去の五輪と比べても平昌は寒い。レースは体中にカイロをつけて出るかも」と笑う。初出場となるナイジェリアのボブスレー女子、セウン・アデグンは「とても寒いけど、練習からベストを尽くしたい」と6日の入村式で意気込んだ。(笠井正基、勝見壮史)