[PR]

 平昌(ピョンチャン)冬季五輪が9日開幕した。兵庫ゆかりのスケート勢では、神戸のクラブで育った坂本花織選手や村元哉中(かな)選手、横山大希選手、数年前から西宮が拠点の田中刑事選手が出場する。毎年のようにハイレベルの選手が輩出する兵庫。逸材を育む土壌を見てみた。

 神戸市立ポートアイランドスポーツセンター(中央区)。一般営業が終わった午後7時すぎ、子どもたちがリンクに集まり、大人の選手に交じって滑り始めた。横山選手が育った新神戸スピードゼミの後輩の姿もある。県スケート連盟の宮永芳明・スピード副部長は「年の離れたトップレベルの選手と練習できるのは、子どもたちに大きな刺激になっている」と話す。

 別の日にはフィギュアやアイスホッケーなどの練習もあり、日々、子どもたちが汗を流す。坂本選手や村元選手もここを拠点の一つとして実力を高めてきた。

 毎年のように、国体など全国レベルの大会で活躍できる選手が育つ。同連盟の土橋徹・フィギュア部長は「おのおのの実力はもちろん、リンクがあって、そこにコーチや周囲の協力がうまくかみ合って。この流れが連綿と続いているのでは」と好素材が生まれる理由を語る。

 兵庫は古くから、スケートをめぐる環境に比較的恵まれてきた。源流は明治時代、六甲山上に点在する凍った池に、愛好家らが集まったところからとされる。1923(大正12)年には現在の関西学院大学スケート部が創部。小さなリンクも徐々につくられ、競技人口が増えていった。

 90年代後半以降の主な練習拠点は、通年型の姫路アリーナやポートアイランドスポーツセンターなどに。姫路アリーナは2006年に閉鎖されたが、13年に西宮に通年型リンクが完成し、選手育成を後押ししている。

 坂本選手が育った神戸フィギュアスケーティングクラブは創立から60年が過ぎ、新神戸スピードゼミは活動開始から30年を超えた。大舞台を経験した選手が後進育成に力を注ぐ。保護者ら周囲の継続的な協力も欠かせない。そんなサイクルがうまくできているようだ。同クラブからは、平昌五輪のフィギュア日本代表監督を担う小林芳子・日本スケート連盟フィギュア強化部長ら、第一線で活躍する人材も出ている。

 行政もバックアップする。県体育協会は14年度から「未来のスーパーアスリート支援事業」を導入した。平昌五輪や20年東京五輪を見据えた選手育成のサポートとして、遠征費用などを補助。坂本選手も強化指定を受けている。

 五輪の年は郷土ゆかりの選手の活躍などに影響を受け、競技を始めようとする子どもが増える傾向にある。同協会の関係者は「好循環が好循環を生んで、より強い兵庫へとつながれば」と、さらに期待している。(巌本新太郎)

     ◇

【兵庫ゆかりのスケート勢】

フィギュア

〈女子シングル〉坂本花織(17)=神戸野田高、シスメックス

〈アイスダンス〉村元哉中(24)=木下ク

〈男子シングル〉田中刑事(23)=倉敷芸術科学大大学院

ショートトラック

〈男子〉横山大希(23)=関西学院大学卒、トヨタ自動車