拡大する写真・図版 二条城=2014年9月 塩原直美撮影

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 以前、京都の観光案内所に従事していた時の忘れられないご質問がいくつかあります。

 その一つに「明日、京都に行くのだが、世界遺産を1日で回りたい、どう回ったらいい?」という超難問をいただきました。言葉に詰まる私……「1日では無理です」これが模範解答であり、正解です。

 しかし、そのお客様は「どうしても、何とか1日で回りたい」と繰り返すばかり。観光案内もサービス業の一つであり、難題でも、無理でも、何とかお客様がご納得いただくよう、最善を尽くさねばならないとわかっていながらも無理なのです。

 でも、それをご理解していただくよう、お導きするのも一つの使命です。さてさて、いかに……。

京都には16カ所の世界遺産(比叡山は滋賀県とした場合)

 まず、京都の世界遺産は比叡山延暦寺を除くと16カ所の社寺・城があります。16も!あるのです。

 この時点で1日では困難だとお分かり頂けると思います。しかも、世界遺産はいずれも境内・敷地が広いです。

 寺宝も多く、建造物もズラリ。いずれも見応えがあり、私は1日1カ所、1日で2カ所でも、まだ見聞は尽きません。そんな世界遺産を1日で回れるはずもなし。でも「どうしても……」と繰り返すお客様と共に、その難題にについて熟考したことがあります。

 「敷地内に入って、写真を数枚とり、では次!……という超短時間になる場所もあっても、それでも、よろしいのでしょうか?」と確認すると「それで良い」との仰せ。16カ所それぞれの素晴らしさ、奥深さを知る私としては納得いきませんし、残念です。

 でも旅するのはお客様。それである意味の満足感を得るのであれば、それでいいのだと、私は自分に言い聞かせながら案内を続けました。

 京都駅から向かうということで…

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